研究費不正使用

松本和子教授の研究費不正使用に伴い、研究費の使用のあり方の見直しが進められている。
まず第一点として間違いなく松本教授は悪い。

不正使用をしたこともだが、その後一切の説明を公言していないことも悪い。

だが、不正使用の背景には、科学的研究にそぐわない形での研究費の配分という問題がある。

研究とは最先端のものになればなるほど、不確定要素が大きい。
なんせ、誰も分かっていない事をやるのだから、やっていく過程で予想しなかったことは必ず起こる。

研究分野にも寄るし研究者個人の資質にも寄るが、opilioは2年くらい先までの研究計画はかなり具体的に書くことができるがその先ははっきり言って分からない。

でも、間違いなく言えることはそのテーマがこの先数年このテーマを続けていくことができ、きちんと論文にしていくことはできる、ということである。

そういった研究を行う上で、年度区切り、繰越もできない、品目は固定といった資金の配分方法自体が現実を見据えた制度とは思えない。

明らかに配分側の都合が優先されており、真に科学発展を望むのであるならば、研究のやりやすいことを優先されるべき制度の改革が全くなされていないことが、不正使用の原因の一つだと思う。

予算案を出す際に、使用予定を出す必要があるのは分かる。だけど、そこにある程度の冗長性を持たす仕組みを作り、それが余った場合は繰越をできるとか、返却をしても、問題が無いように、資金の配分方法自体を再構築する必要があると思う。