一般向け科学書(?)

動物と人間の世界認識
日高先生は鼻行類―新しく発見された哺乳類の構造と生活以来のファンなんだけど、最近の氏の本は少々物足りない。
これは私が老いたからなんだろうか?

それでも、高校生くらいが利己的な遺伝子 (科学選書)を読む前に読むと、少しは面白いのかもしれない。

人も含めて客観性とは築けない=論の中では論の非矛盾性を照明できない=ゲーデル不完全性定理と同じことを言っているに過ぎないと思う。

また、本の中でイリュージョン*1は変化し、現在の科学的知見も将来的にはイリュージョンとなるので、科学進歩で真理に近づいているのではいえない、との弁があったが、科学的な知見は過去の知見とオーバーラップして存在し過去の知見を完全に否定するような知見はそうそう出てくるものでもないので、漸近的に真理に近づいているとは言えると思う。

そして、決して真理に重ならないことも漸近的である以上、言えるのかもしれない。

*1:各生物視点での環境のこと。例えばモンシロチョウは黄色までしか見えないのでモンシロチョウ視点では赤色を反射する物体は赤外線を反射する物体と同じに見える状況のこと