同業者との差

個人的お付き合いも無いが巡回しているid:ryoko_komachi:20060502さんのblogにて

凡人の私としては、「違う星の下に生れた人々の物語」と思って(爪を噛みながらも)見なかった事にするしかない(笑)。逆に言えば、そういう人を真似ても多分損でしょうね。脳のスペックが違うから、同じ事をやっていたら、差がつくばかりです。それじゃあ、凡人はどうすればいいんでしょう?

との弁。
我々の業界とは少々異なる点もあると思うが、研究を職としている以上、同業者にそれこそ比喩ではなくてそのうちノーベル賞クラスの賞を取るんじゃないか?という人達がいる。

その人達の方法論をそのまんま真似ても役に立たないのは確かなんだけど、その人達の研究に対する姿勢なんかは真似しても損はないと思っている。

論文の読む速度や内容を把握する速度は真似できないけど、クリッピングしておく技術や、論文を書く方法論は真似できる。

そういった、賢い人が生み出した凡人にも使える方法論は、すばやく取り込むことが、私含めて凡人たちが賢い人たちに何かを返していける可能性を作るんじゃないかな?と、思う。

ただ、我々研究者の業界の救われる点は、小説家や漫画家と違って、努力したら努力に比例はしないかもしれないけど、ある程度確実に報われること。
1st authorの論文をまじめにきちんと一本ずつ毎年毎年書いていれば、輝かしい成果は得られなくても、私のような凡人でも自分にしかできない研究は生まれていく。

まぁ、その喜びが単に自己満足に近いのは分かるし、自己満足で良いならば漫画家だって楽に幸せになれるとの弁もあるだろうけど、研究職は自己満足に限りなく近くても、それで飯が食っていける。

それは、この職を選んで本当に良かったと思える唯一にして最大の幸福だと思う。*1

*1:しかし、助成金獲得とかの時には、その人達と同じ土俵で戦わなくてはいけないので、その時ばかりはこの職を選んだ不幸を呪・・・ってもいられないので、数で勝負。